本日はNew Year's Eve

30代OLが「書き手」になる夢を叶えるドキュメンタリー

誰もが異色であり、同時に無色である

「自分らしい」って、なんだろう。

「普通」って、なんだろう。

 

文章を書いていると時々悩むことがある。

他の誰でもない自分らしい文章を書きたい。

だけど何か奇抜なことを言うのではなく、

共感を抱いてもらえるような、

「自分のことだ」と思ってもらえるような、

そんなことばを探している。

 

はてさて、一体何を書いたらいいんだろう。

唯一の「わたし」だから書ける、無数の「あなた」に届くことば。

どうしたら書けるんだろうか。

 

誰もが異色であり、同時に無色である。

最近そんなことを強く感じるようになった。

 

本を読むこと、文章を書くこと。

読み書きに時間を割いて熱中していると、今まで見えなかった世界や気づかなかった自分の姿が見えてくる。

あー、読んで書くって面白い! 

発見がいっぱい! 

みーんな、やってみたらいい。

きっとみんな楽しいと思うから!

 

この時のわたしは、自分がみんなと同じ色だと疑いもなく思っている。

だけど、そんなことをずっと言ってると違和感や温度差を感じるようになる。

 

あれ? 

本を読む人って思ってるより少ないのかな。

書くのが嫌いな人っていっぱいいるな。

コツを覚えたら上手くなる人もいっぱいいるけど、

そんなの知りたくないって人も、いっぱいいるんだな。

 

否定されているわけではない。

だけど、なんだか周囲と色が違う。

自分だけが浮いているような気がしてくる。

 

何かを好きになればなるほど、

 強く思えば思うほど、熱くなればなるほど、

ふと周りとずれているような感覚になる。

 

自分はなんか違うのかな? 変なのかな?

 

なんだか不安になって、同じことが好きな人達の輪の中に入ってみる。

本が好きな人。書くことが好きな人。

探せばたくさんいる。

え、こんなに?! って、笑っちゃうくらいにたくさん。

すると、やっぱり話しが合う。

あぁ、自分だけじゃなかった。

こんなにも仲間がいる! 

共感できて、泣いたり笑ったり。

おんなじ色に囲まれるって、居心地がいい。

これがわたしなんだ。

ようやく見つけた! 

そう思えて安心してあたたかい気持ちなる。 

 

だけどそれでハッピーエンドかと言えばそんなことはない。 

嬉しさと同時に不安も募ってくる。

あれ? 同じ色に囲まれて嬉しいと思ったけど、

わたしただ埋もれてしまっただけじゃないかな。

わたしにしか出せない色が全然ない。

たくさんいる人達の中から、わたしを選んでもらえる。

そんな特別な色が全然ない。

このままじゃ、いないのと一緒。

「普通」じゃだめなんだ。

「普通」じゃ、つまらないんだ。

もっともっと自分にしか出せない色を持たなきゃ。

他人と違う色を出さなきゃ。

どうしたらいいんだろう。

 

「普通じゃない」と思えば心配になり、

「普通でしかない」と気付けば悲しくなる。

 

誰でもない「わたし」でいたいのに、

みんなと違う「誰か」になるのも怖い。

 

「自分らしい」って、なんだろう。
「普通」って、なんだろう。

 

どうしたら、自分らしさのまま、受け入れてもらえるんだろう。

 

その答えを探してた。

たったひとつの答えを。

 

だけど、ようやく気が付いた。

「誰もが異色であり、同時に無色である」

 

答えはひとつじゃない。

「自分らしさ」はひとつじゃない。

自分の色は、一色だけじゃない。

周囲が変われば、自分の色の見え方も変わる。

周囲が変わらなくても、自分の色が変わることもある。

 

だから。

どんな時でも、自分の色は美しいと信じる。

それを忘れちゃいけない。

信じることが出来れば、時にいつもの自分と違ったって、周囲と違ったって、

不安にならず楽しむことができる。

たとえ誰かに否定されたって、そんな時こそ信じることが大切だ。

 

せっかくキレイな色なのに、

周りに合わせて、無理やり嫌な色で塗り潰してしまったら、もったいない。

そうせざるを得ないなら環境を変えることも手かもしれない。

ただ相性が合わなかっただけ。

もしくはお互いに少しずつ色が変わっていっただけ。

一緒にいて居心地のいい場所、互いがより美しくいられる場所は必ずある。

 

だけど。

浮いてしまうのが苦しいなら、自分の色を意固地になって守る必要もない。

色を馴染ませて寄せていったって、本来の美しさは損なわれない。

むしろ彩りを合わせることでより美しくなれることもある。

混ぜることで、新しい色を作り出せるはずだ。

自分の色は美しいと信じているからこそできる、挑戦。

 

もしも、同じ色の中にいて居心地が良いなら、その場所を守ればいい。

崩れないように色褪せないように、丁寧に守り続ければいい。

それでも、その中でもひときわ輝く一色になりたいなら、それ相応の相当な努力が必要だ。

一点がキラッと光れば、周囲もそれに気付いて自分も輝こうと必死になる。

他が磨かれていく中で、何もせずに留まっていれば、

自分は変わっていないと思っていても、ただそれだけで濁って見えてしまう。

常に上へ、常により良く変わり続けなければならない世界もある。

 

他の誰でもない

自分だけの色を磨き続ける努力も忘れずに、

周囲と調和しながら日々を過ごす。

 

そんな生き方を日々貫くことが、今の時点の、わたし「らしさ」なのかもしれない。

 

異色であることを恐れず、

無色になることに臆病になる。

自分の色は美しいと信じ、

他人と比較して後ろ向きになるのではなく、

調和できる自由度を楽しむ。

 

いろんな人の声を聞き、

いろんなことを書きながら、

最近そんなことを、思っている。

 

誰もが異色であり、同時に無色である。

だから、どんな色も美しい。

そう信じれば、世界が変わらずとも周囲が変わらずとも、毎日はちょっとだけ楽しくなる。

もうすぐ冬が終わる。

あたらしい色に会いに行ってみよう。

今しかない、この季節だけの特別な色に。

そうすればきっと、わたしの色もどんどん濃くなり、透明度も増していく。

そうやってちょっとずつ、進化していきたい。