本日はNew Year's Eve

30代OLが「書き手」になる夢を叶えるドキュメンタリー

友人からのLINEで気付いた、「これから」を生きていくために大切なこと。

「あの時は表情も違ったね」

友達からのLINEにハッとした。

 

表情が違うって、どういうことだろう。

自分では自覚がなかった。

たしかに、慣れないことばかりで、気が急いていた。

遊びは無駄なこと、無駄話もしない。

駄目なものは駄目。

無駄なものに埋もれたら、死あるのみ。

そんなことで頭が支配されていた。

 

だけど、彼女に会うことは心から楽しみにしていたし、

久しぶりに「あー楽しかった!」ってこころから思った日だった。

 

でも、彼女にとっては違った。

その日のわたしは、攻撃的で気が立っていたらしい。

いつものわたしとは、ことばも、表情も違ったようだった。

 

--そっかぁ。

ちょっとショックだった。

言われたことじゃない。

変わってしまう自分だった。

 

自分にはちゃんと軸があると思っていた。

どんな時でも、大切な人を大切にできると思っていた。

でも、それは、ひとりよがりだった。

 

きっとその時だけじゃないだろう。

 

これまででも、

やさしくしたつもり、

楽しませたつもり、

一生懸命やったつもり。

 

そんな「つもり」だけで、

大事にできず、傷つけてしまった日が、人達が、たくさんいるのかもしれない。

 

それじゃ、いけないのに。

ごめんなさい。

 

本当は、傷ついてしまった人に、ちょっとでも笑ってもらいたくて、

誰かを傷つけることでしか自分を保てない人が、自分自身に夢中になれるようなきっかけを作りたくて、

それで、書くことを続けようと思ったのに。

 

いつのまにか、わたしの生き方が、生き様が、誰かを攻撃したり、傷つけたりするようになってしまっていた。

 

だからだろう。

こないだ1年ぶりに実家に帰った時、友人に会いに行くことが、できなかった。

「時間がない」って言い訳をしたけれど、それは違う。

時間なんて作ればいくらだってある。

自分で、行かない、と、決めたんだ。

行けなかったんだ。

自信がなかったから。

合わせる顔がなかったから。

 

あなたが生きられなかった「それから」を、

わたしは、大切に生きています。

 

そう、手を合わせて伝えられる、自信が、なかったから。

 

そうだ。

彼女がいなくなってしまってから、わたしの人生は、大きく変わった。

しばらく受け入れられなかった。

自分の大事なものは、自分の手で守り続けなければ、失ってしまうということを、初めて知った。

 

だから、自分の生き方を、考え続けた。

何をすれば、後悔しないだろう。

どう生きれば、彼女に堂々と会いに行けるだろう。

どうしたら、彼女のように悲しい事件で命を落とす人がいなくなるだろうか。

 

答えのない答えを探し続けた。

何度も失敗して落ち込んでは、なんでわたしじゃなく彼女だったんだ、と、自分を責めた。

わたしには、何もない。

できることなんて、何もない。

そう思ってはまた立ち上がって挑戦し、「ちゃんと生きる」の意味を問い続けた。

 

そうやって出会ったのが「書くこと」だった。

 

自分が思うこと、出会ったものを、ことばにすることで、

誰かの経験や物語を、代わりに書くことで、

なにかを変えられるような気がした。

 

泣いていた人が、思わずプププって笑ったり、

誰かを攻撃することで自分を守ろうとしていた人が、自分に夢中になったり、

 

なんにもないわたしだけど、

なんもできないわたしだけど、

いろんな人と人をつなぐ「書くこと」であれば、それができるかもしれない。

そう、思った。

 

それからは、もっと速く、もっと上手くと、必死になった。夢中になった。

そうしているうちに、まだダメだ、これでも足りないと、自分に鞭打つようになった。

そうやって鬼の形相で走り続けるうちに、どこに向かっているのか、わからなくなってしまった。

何のために走っているのか、

どうして走り始めたのか。

そんなことも見えなくなってしまっていた。

 

「あの時は表情も違ったね」

友達からのLINEにハッとした。

 

そうか。そうだったのか。

見失ってしまっていることにすら、気づかなかった。

だけど、よかった。

友達がいてくれて、本当によかった。

いつだってそうだ。

迷子になった時、

下しか向けない時、

行くべき場所に手を引っ張ってってくれるのは、いつも友達だ。

 

そんな出会いに感謝をして、

いつまでも忘れちゃいけない。

裏切っちゃいけない。

二度と、悲しい理由で、失いたくない。

 

そのために。

変わるのは自分だ。

やわらかな強さを、こころに保つ。

軸を持って、書き続ける。

書くことには、生き様が出る。

そのためには、まっすぐに、しなやかに、穏やかに、自分を保って生きなければならない。

 

一度、失敗してよかった。

大切なことに気づけたから。

もう迷わない。

今度帰省するときは、自信を持って、あの子に会いに行くんだ。

 

ちゃんと生きてるよ。

相変わらず失敗ばかりでどうしようもないわたしだけど、

それでも。

それでも、あなたの生きられなかった「それから」を、精一杯生きています、って。

どうかこれからも、見守っていてくださいね、って。