本日はNew Year's Eve

30代OLが「書き手」になる夢を叶えるドキュメンタリー

無駄なことを省こうとしたら、わたしがいなくなってしまった話。

「無駄を省かなきゃ」

取り憑かれたようにずっと、そのことばかり考えていた。

行動も、考えも、感情も。

無駄がいっぱあるからうまくいかない。

とにかく無駄さえ省けば、きっとうまくいくんだ。

 

そう、思っていた。

 

断捨離、断捨離、断捨離。

そう思って、なんでも捨てて、なにも取り入れず、ただただ無駄なものと決別しようとした。

 

でも、あるとき、ふと、気がついた。

 

無駄を省きすぎたら、

わたしが、いなくなってしまったことに。

 

考えてみたらそうだ。

 

無駄なことばっかり考えて、

無駄なことばっかりやっちゃって、

それでも、

あははって笑って、

またやっちゃったね、アホだね、って笑ってたのがわたしなのに。

 

いつのまにか、

無駄を削るために、

ゴリゴリ、と、

わたし自身まで、削ってしまっていた。

 

無駄がない方がいいならば、

そもそも、わたしである必要は、ない。

もっと早く、もっとうまく。

効率的に美しく。

なんだって器用な人は、世の中たくさんいる。

 

でも、無駄なことに、無駄な時間をたっぷり使って。

人が無駄だと思うことも面白がって。

無駄なことしちゃったって、落ち込む人と笑い合って。

 

そうやって生きているのが、わたしなはずなのに。

 

だから。

 

無駄を省く、って考えるのをやめてみた。

自分を削ることを、

わたしを押し殺してしまうことを、

やめてみた。

 

だって。

むぎゅーーーーって潰されて押し殺されてしまうならば。

もっと広い空間に出たらいい。

 

満員電車に無理に飛び込んでいかなくたって、

第一村人が見つからないような田舎だってたくさんある。

 

無理に行列のタクシーに並ばなくたって、

歩いて帰れる範囲で、

面白いお店も、ステキな職場も、

なんだって、どこにだって、あるんだ。

 

もしもそれでもどうしても。

例えば潰されたって住みたい街があるのなら。

苦しくたって電車の速さをとった方がいいのなら。

自分が納得できる理由があるのなら。

その環境の中で、自分だけの楽しみを見つけたらいい。

 

潰されて苦しくて、眉間にしわ寄せてたら、肩も凝って頭も痛くなって、もう嫌になっちゃうけど。

それでも、例えば、潰してくるお姉さんの、お母さんのお父さんのお兄さんが、めっちゃお人好しで、うちのおじいちゃんがお世話になってたとか妄想してみたり。

ふと見上げた先の広告を、心の中でハイテンションで読んでみたりとか。

「次はぁ、しながわぁ、しながわでーす」という車掌さんのモノマネを隣の人に聞こえるかどうかの声で、ドキドキしながらしてみたりとか。

 

なんだかそんな、ちょっと無駄でくだらないことができたらきっと。

そんなことで笑える余裕があったらきっと。

どんな環境でも、息をして生きていける。

 

No Joke, No happy.

 

フィリピンの先住民族のアエタひとたちは、いつもそう言って、真剣にくだらないことをして、たくさん笑わせてくれた。

 

無駄なことのせいで、できないこともあるかもしれない。

無駄なことばっかりしてたら、気付いたら、みんな先に行ってしまってるかもしれない。

 

だけど。

 

何かを得るために、

何かを犠牲にして、無駄をぜーんぶ省いてしまったら。

 

その時は。

 

わたしが、いなくなってしまう。

 

本当の邪魔な無駄を省くなら、きっと、心が軽くなる。

だけど、無駄を省こうとして、心が苦しくなっていってしまうなら。

きっとその時は、何かが、違うのかもしれない。

 

その時は無駄に思えても。

ワクワクしながら回り道しながら

駆け回った方が、結果的にはスピードが、上がるかもしれない。

 

例えばその瞬間はなんの役にも立たなかったとしても、ある時ピンチが訪れた時に、急にそのことが頭に浮かんで、助けてくれるかもしれない。

 

無駄だと思えることに、救われることは、たくさんある。

 

そう。

 

無駄があるということは、

心に遊びがある、ということだ。

 

無駄がある、ということは、

人生に余裕があるということだ。

 

隙間を全て削って埋めてしまったら。

 

人生はきっと、息苦しいものになってしまう。

 

結果として、省くことで楽になる人と、

遊びを保つことで、エネルギーを生み出す人と、

きっといろんな人がいるはずだ。

 

だから。

 

無理をしなくていい。

嘘をつかなくていい。

 

それが一番きっと、しっくりときて、無駄のない生き方になると思うから。

誰かの生き方を真似して苦しむのではなく、

自分の生き方を、全うすることが、

何より心地よく、何かを生み出すことができるはずだから。

 

そう思ったら、ちょっとだけ、こころがまるくなった。

ちょっとだけ、余裕が生まれてきた。

 

そうなると、なんだかよく眠れるし、ごはんも美味しい。

 

参った。

食欲の秋。

体まで、まるくなりそうだ。

 

まぁ、それならそれで。

おかめさんのように、周りに福を呼べるようになればいいか。

腹踊りでもしてみんなが笑ってくれるなら、それでいいか。

 

や、そこまでは、ちょっと(笑)