本日はNew Year's Eve

30代OLが「書き手」になる夢を叶えるドキュメンタリー

「書くこと」を学び始めたわたしが、教科書にしている1冊

「愛は重い。軽くてたまるか」

 

この一文は、

わたしの2016年の流行語大賞のひとつ。

 

衝撃的だった。

 

だって、

「重い女は嫌われる」んじゃなかったの?!

重くならないように、重くならないように、と

おまじないのように自分に言い聞かせていたのに。

 

まさか、最強の愛されモテ女が、

まったく逆のことを言うなんて!!!

 

どっひゃーーーー

 

「愛は重い。軽くてたまるか」

そう言い放ったのは、

大女優 大竹しのぶ

 

あの明石家さんまさんに結婚を決意させた、たったひとりの女性。

公私ともに、老若男女問わず、

たくさんの人に愛される、大竹しのぶさん。

 

彼女の初のエッセイ集『まあいいか』の中に

「愛は重い。軽くてたまるか」

というタイトルの記事がある。

その言葉は、映画監督 新藤兼人さんとのエピソードにだけ登場するが、

実際すべてのエピソードに、彼女のずっしりと重い愛が詰め込まれている。

 

ページを捲るたびに新しい発見があり、

読むたびに、大竹しのぶという人を好きになっていく。

 

そうして繰り返し読んでいたら、

あることに気が付いた。

 

あ、この本、

書くこと、ライティングの教科書になるかも!

 

女優であり、ひとりの人間大竹しのぶ

生き様が綴られているこの本には、

「書くこと」のヒントがぎっしり詰まっている。

 

大きく分けると、

書く楽しさ、書くときの注意、日常をコンテンツに変えるヒントだ。

 

書く楽しさについては、

まえがきとあとがきで触れられている。

女優がなぜエッセイを書くのか。

書いてみてどうだったのか。

ほんの短い言葉だけど、

うんうん、そうだよなーと共感するし、

これを忘れちゃいけないよなーと思うことが、

素直に、シンプルに綴られている。

書くって、難しいけど、やっぱり楽しいよね!と思い出させてくれる。

 

書くときの注意点では、ドキっとすることが書いていた。

それは、対談の中でリリーフランキーさんが言った言葉だ。

「女性が自分に起きたことを文書にするのって、暴露調になったり、えげつなくなったりするんだけど、しのぶさんはまったくそういうのがないですね」

ハッ! とした。

有名人でも専門家でもない、

特徴のないOLが日常について書いていても、

正直つまらない。

よっぽど工夫しなければ読んでもらえないが、

そう簡単に面白いことは、浮かばない。

そうなるとついつい、

「ここだけの話さ……」

「信じられないことがあってさ……」と、

何か秘密を書いたり、ドロドロしたことを書きたくなってしまう。

だけど、エッセイの場合それではいけない。

純粋で素直な

「ねぇねぇ、聞いて聞いて!」が根底にあるからこそ、読んでもらえる、伝わる文が書けるようになる。

目先の好奇心をつついちゃいけないんだ!

「暴露しない、えげつなくならない」

それが、この本から学んだ、書くときに注意する大事なこと。

 

書いていて悩むのが、記事のネタや素材。

身近なことを面白く書けたらな……

そんな日常をコンテンツに変えるヒントも、この本から見つけることができる。

もちろん女優の日常は、ファンにとってはそのままでもコンテンツになり得るけど、

わたしにもヒントになることあった。

それは、起こった出来事、湧いてくる感情と、素直に真剣に向き合うこと。

彼女のエッセイでは、

何気ないことが、有難いことだと書かれている。

よく聞くことではあるけれど、

そう思えることは、わたしにとっては難しい。

そこで本を読んでいくと、あることが見えてきた。

推測だけど、

彼女自身が、

何気ないことをどうでもいいことと流さずに、

滅多に無い有難いこととして受け止められるまで、真剣に考えたんじゃないだろうか。

 

軽い愛ではなく、ずっしり重たい愛をもって人や出来事と向き合うからこそ、感謝の気持ちが生まれてくる。

そうしていくうちに、身近な人も出来事も全ての有難さに気付き、

「ねぇねぇ、聞いて聞いて!」と、誰かに伝えたいことになるのかもしれない。

 

きっと、そうだ。

日常をコンテンツに変えられるかどうかは、

自分が日常とどう向き合っているかに、大きく関わってくるんじゃないだろうか。

日常に面白いことがないんじゃなく、

わたしの場合は、面白いことに気付けていないだけなんだ。

日常をコンテンツに変えるには、

日々を真剣に生きなければならない。

 

生きてきたことを書くんだから、

生きていることを、書けることに変えていかなきゃいけない。

 

書いていくには、覚悟がいるんだ。

 

大竹しのぶさんのエッセイ『まあいいか』

この本は、書くことの楽しみと、注意することと、日常をコンテンツに変えるヒントを教えてくれた。

 

これからは、

書くことに対しても、日常の出来事も、会う人もみーんなみんな、重たい愛をもって接していく!

不器用なわたしは、きっと上手くできない。

だから、広く浅くじゃなく、一つずつを真剣にやっていくんだ。

愛も夢も覚悟も重いんだ!

軽くてたまるか!!

 

そう思いながらも、「まあいいか」の軽やかさとやわらかさも忘れずに。

 

 悩むこと、迷うことがあったら、この本を開けばいい。

「書くこと」「生きること」の教科書として、

これからも大事にしていこう!

 

 まあいいか

 

まあいいか