本日はNew Year's Eve

30代OLが「書き手」になる夢を叶えるドキュメンタリー

今年一番泣いた映画でグッときたのは、岡田くんの迫真の演技よりも、男たちの歌う姿よりも、隣のおじさんの……

うわぁ〜、おもしろかったなー。

映画館で見る今年最後の映画を、

これにしてよかった。

もしかしたら、今年一番、映画館で泣いたかもしれない。

ただ苦しいわけじゃなく、悲しいわけじゃなく、なんだかグッとくる、あったかい涙。

 

気持ちよかったぁ〜

そう思いながら映画館を出た。

 

さすが岡田くん。

我らがスーパーアイドル岡田くん。

分厚くなったなぁ。

俳優 岡田准一というより、

人間 岡田准一の熱意や人柄が滲み出てるような演技だった。

こころをわっしゃわっしゃ掴みにされて、岡田くんの演技に熱がこもるたび、涙があふれてきた。

 

わたしは大きな企業に勤めたこともないし、

熱い経営者に振り回されたことも、

死んでもついていく! と決意したこともない。

第一、男の夢もロマンも絆もよくわからないし、独身のわたしは闘う男の弱音吐く姿も見たことがない。

共感できそうな共通点は見つからない。

だけど、なんでだろう。

もうただただ泣けて仕方がない。

 

画面の中で男たちが、うぉおおお! と吠えれば、わたしも、うぉおおお! と叫びたくなるし、

男たちがハッハッハッ! とみんなで爆笑してれば、わたしもその輪に加わりたくなる。

 

それに、なんだろう。

なんだろう、あれは。

なんで、なんで、

男たちが歌ってる姿ってグッとくるんだろう。

甲子園の終わりに校歌を歌ってるのを見たときのあの感じ。

笑いながらでも泣きながらでも、

男性陣がみんなで声合わせて

時には肩組み合って全力で歌っていると、

ただそれだけで心惹かれてしまう。

 

聞いちゃうスイッチをグイッと押されたように、

ハッとして、息を潜めて見つめてしまう。

 

なんだろう。なんだろなぁ、あの魅力。

 

映画の中で男たちが笑いながら泣きながら、全力で歌う姿を見る度に、涙が止まらない。

 

わしも店員にしてくれーい!

と叫びたくなってしまった。

 

だけど実は、

あの映画を見ていて1番心を奪われたのは、

岡田くんの迫真の演技よりも、

そんな男たちの歌う姿よりも、

隣のおじさんだった。

 

60代くらいの腕組みながらジッと画面を睨むようにして見ていた、隣のおじさん。

 

そのおじさんから思わずもれた、

フフフッという、低い笑い。

 

ーーえ、おじさん!

ねぇ、おじさん、今笑ったの? 

ねぇねぇねぇ!

 

と騒ぎたくなってしまうくらい、

心惹かれてしまった。

 

主人公の甥っ子が

「じゃあなぁ〜」と言った瞬間に聞こえてきた

フフフっという、低い笑い声。

 

あぁ、この隣のおじさん、あったかい人なんだなぁ。愛にあふれる人なんだなぁ。

そう思ったら、遠くで暮らす父や、もう亡くなってしまった大好きな祖父の顔を思い出し、涙が滲んできた。

 

おじさん。おじさん。おじさん。

 

あったかいおじさんって、いいなぁ。

 

ばーろー! しっかりせーい! 

と怒鳴りながらも、

ヘックションちくしょーい! と

くしゃみをしながらも、

若造を厳しくもあったかい目で見守ってくれるおじさん。

 

最近はそんな見知らぬあったかおじさんに出会う機会もなくなってきたから、

偶然そんなおじさんと映画館で隣の席になり、同じ作品を楽しめたことが、嬉しかった。

 

あぁ、いい作品だったなぁ。

いいおじさんだったなぁ。

 

そう思っていたクライマックス。

 

「国岡のもんよ!」

のセリフのあとに、

 

また聞こえてきた!

 

 

フッフッフッ。

 

おじさんの、ゆっくりと低い笑い声。

 

それはスタンディングオベーションの起こる直前、

パチ、、、パチ、、パチ、パチパチパチ

ゆっくりと始まる拍手のように、

 

フッ、、、フッ、、フッ

 

と、ゆっくり響いてた。

 

よかったぞ。

いいもん見させてもらったわ。

ありがとう。

 

そんなおじさんの声が、

聞こえてきそうな気がした。

 

映画『海賊とよばれた男

 

映画館で見る今年最後の作品に選んでよかった。

あったかくて爽快な涙が止まらなかった。

そして、あの隣のおじさんの笑い声も忘れない。

 

長いし、熱そうだし、男のロマンとかわかんないし、なんて思ってたけど、

年末年始、上下巻に挑戦してみようかなぁ。

 海賊とよばれた男 単行本 上下セット [単行本] [Jan 01, 2012] 百田 尚樹 [単行本] [Jan 01, 2012] 百田 尚樹